事務局の業務改善が進まない3つの理由|人を増やしても楽にならない現場
「人を増やしたはずなのに、なぜか事務局は楽にならない」
業務改善の相談を受ける中で、最も多く聞く言葉です。
マニュアルを整えた。人員も追加した。それでも残業は減らず、ミスはなくならない。
もしあなたの事務局が今、同じ状態にあるなら──
それは誰かの能力不足ではなく、構造の問題です。
本記事では、公共事業を含む多くの事務局で共通して見られる
「事務局の業務改善が進まない3つの構造的理由」を整理し、
立場が強くなくても、どこから手を付けるべきかを解説します。
理由① 事務局全体の業務フローを把握している人がいない
担当業務は説明できるが、全体は誰も語れない
多くの事務局では、
「自分の担当業務」については問題なく説明できます。
しかし、
- この事務局の業務は今どこにあるのか
- 次に何が起き、どこで滞留しやすいのか
といった全体の業務フローを説明できる人がいないことがほとんどです。
これは怠慢ではありません。
分業が進みすぎた結果、
全体を見なくても仕事ができてしまう構造ができあがっているのです。
「流れはできている」が危険な理由
「この事務局は、もう流れができているから」
一見、安心できそうなこの言葉は、
裏を返せば
「その流れを誰も言語化できていない」という危険信号でもあります。
流れが説明できない事務局では、
改善案が出ても
「それは前からそうだから」
という理由で止まってしまいます。
理由② 分業が細かすぎて、事務局業務の責任が分断されている
分業=効率という思い込み
事務局業務では、
- データ入力
- 電話対応
- 審査
- 確認
といった形で、業務が細かく分かれていることが多くあります。
単純作業だけを見れば、確かに効率的です。
しかし、分業が行き過ぎると、
「誰が最後まで責任を持つのか分からない」
という状態が生まれます。
引き継ぎが増えるほど、ミスは増える
業務が分断されるほど、
- 引き継ぎ
- 確認
- 問い合わせ
が増えます。
結果として、
- 人は多いのに、確認待ちで止まる
- 誰も判断できず、上に聞く
こうして、
人を増やすほど事務局が重くなる構造が完成します。
理由③ 業務改善=現場の負担が増えると思われている
なぜ改善は嫌われるのか
「業務改善」と聞いて、
現場が身構える事務局は少なくありません。
理由は単純で、
これまでの改善が
- 新しいルールが増えるだけ
- 書類が増えるだけ
- 確認工程が増えるだけ
だったからです。
現場からすれば、
改善=仕事が増えるという認識が刷り込まれています。
正論だけでは、事務局は動かない
どれだけ正しい改善案でも、
「それで楽になる未来」が見えなければ、
事務局は動きません。
業務改善とは、
正しさの押し付けではなく、安心の設計です。
では、どこから手を付けるべきか
いきなり仕組みを変えない
業務改善がうまくいかない事務局ほど、いきなり
- システム導入
- ルール刷新
- 大幅な組織変更
をしがちです。
しかし、事務局業務は止められません。
まず必要なのは、
一番小さな無駄から手を付けることです。
「なくても回る作業」を一つ見つける
例えば、
- 誰も見返していないチェック
- 形式だけの報告
- 二重三重の確認
こうした作業を一つ削るだけで、
現場の空気は確実に変わります。
「改善しても、仕事は増えない」
この実感が、
次の改善を受け入れる土台になります。
まとめ|事務局が回らないのは、あなたのせいではない
事務局の業務改善が進まない理由は、
- 全体が見えない構造
- 分業による責任の分断
- 改善への不信感
これらが重なった結果です。
個人の能力や意欲の問題ではありません。
構造を理解すれば、
立場が強くなくても、
少しずつ事務局を変えることはできます。
もし、
「理屈は分かったが、実際の現場ではどう進めればいいのか」
と感じた方は、
派遣という立場から、事務局の業務改善と組織再設計を進めた実例も参考にしてみてください。
一つの事例が、
あなたの職場を見直す視点になるかもしれません。

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